あすなろ三三七拍子最終回！荒川社長の熱い名言と応援団の結末は？

火曜日21時から放送中の「あすなろ三三七拍子」が、9月9日にいよいよ最終回。
にわか団長が悪戦苦闘するなか、ドラマはいよいよ架橋を迎えます。
アナタはちゃんと見逃すことなく、このドラマを楽しめたでしょうか？

「あすなろ三三七拍子」は、重松清氏著作の同名小説が原作です。
中年サラリーマン・藤巻大介（柳葉敏郎）が、ある日の仕事中に社長室に呼ばれ、社長・荒川（西田敏行）から直々に、廃部の危機に陥った翌檜（あすなろ）大学の応援団を再建してほしいと、団長を命ぜられました。

総務部長から応援団団長？何で？と藤巻は絶句するが、荒川は藤巻がリストラ候補にあがっていると話し、半ば強引に応援団長に就任させます。
団を軌道に乗せるまで会社に戻れないと知らされ、藤巻は長ランを着る決意を固めますが、妻・広子（菊池桃子）と娘・美紀（飯豊まりえ）からは猛反対されます。

そして集まった団員は、見るからに頼りない野口健太（大内田悠平）、前代未聞の女子団員・松下沙耶（剛力彩芽）、美紀のカレシのチャラ男・保阪翔（風間俊介）の３名。
おまけにおせっかいなOB・齊藤（反町隆史）、山下（ほんこん）があれこれ口を出してきて……、問題は山積みでした。

藤巻は当初は押し付けられた役割に重圧しかなく、気恥ずかしさを感じながら長ランを着て、「むりやり」応援を「やらされて」いました。
しかしOBたちから学んだ「応援」に対する信念や、団員たちが抱えるそれぞれのトラウマを「応援」することで仲間の心に触れ、藤巻の中に確かな「使命」が芽生えていくのです。

地獄の合宿が教えてくれたこと

最終回を前に、必ず押さえておきたいのが第3話「地獄合宿」の回です。
新設のセミナーハウスでチアリーダーに囲まれての合宿かと思いきや、齋藤・山下に連れてこられたのはオンボロ山荘。
早朝から腹筋・腕立てに始まり、力の限り声を出し続ける訓練の数々……。
辛い特訓についていけず、落ちこぼれた健太は一度は合宿所を逃げ出します。
藤巻は気付いていましたが、健太の頑張りを認めて見逃しました。
ですが健太は、ここで負けたくない！　と奮い立ち、再び合宿の場に戻ります。

そこへ陣中見舞いに来たOBと荒川が、団員たちに最後の試練を与えました。
どうしようもなくくたびれている体に更にムチを入れる、悪魔の20㎞走。
気持ちはあれど足が進まない……。
アスファルトに崩れていく団員たちの耳に、荒川とOBのエールが届きます。

合宿を見学に来た応援団顧問で准教授の原智子（森口瑤子）は、密かに団の解体を目論んでいて、こんな訓練に何の意味があるのか、と荒川に問います。
すると荒川はこう答えるのです。

応援というものは、そもそも傲慢なことなんです。
精いっぱい頑張ってる人間にもっと「頑張れ」と言うわけですから。

ですから、我々団は、応援される人間よりももっともっとたくさん汗をかくんです。

人に「頑張れ」と言うからには、応援するわれわれがもっと頑張らなければ応援する資格なんぞ持てません。

「とにかく、ひたすら」。
それが団の精神です。

くぅ～～～ッ！
荒川社長！　さすがだね！!　男だね!!!
そして、エールを受けた団員たちがボロボロの体を引きずって立ち上がり、また走り始める姿が心に刺さります。
荒川がいう「応援は理解するものじゃない、感じるもの」。
この精神を、藤巻、沙耶、翔、健太の4人は、この回に身を持って知るのです。
第3話を見てこそ、最終回が本当の意味で楽しめるのではないでしょうか。

「あすなろ三三七拍子」は、視聴率こそ5％台をうろちょろしていて低空気味ですが、人情味溢れるドラマの厚みに感嘆の声がたくさん寄せられているようです。

父親の死を乗り越えた健太、頑（かたく）なで理屈屋だった沙耶、意外に苦労人の翔はどんな成長を遂げるのか？
そして藤巻自信が学ぶこととは？
このように、もちろんメインメンバーの動きに注目したいですが、最終回もやはり注目は荒川社長。
「人のことを応援できる人間であれ――」
こう掲げた社長がどう動いて下さるか、つい期待してしまいます。