このミステリーがすごい!ドラマの見どころと選考方法は?連ドラ化は視聴率次第?
「このミステリーがすごい!」大賞という公募小説賞があるのを知っていましたか?
この賞は2002年に、出版社の宝島社と、言わずと知れたパソコンで名を馳せたNEC、光ディスク製作で国内最大手のメモリーテックの3社が創設した小説賞なんです。
他の文学賞と比べると歴史は浅いですが、その独特な選考方法などから、小説家の卵や熱烈な推理小説ファンからの注目度は高いのです。
作品募集のテーマは「エンターテイメントを第一義の目的とした広義のミステリー」で、応募作のレベルは高く、大賞や優秀賞などを受賞した作品以外にも、出版社である宝島社編集部推薦賞の「隠し玉」が設けられて、出版への道が開かれているのも、大きな特徴です。
第一回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したのは、吉岡隆さん主演で映画化された「四日間の奇蹟」で、朝倉卓弥氏でした。またそれ以外にも、「エクスクロス 魔境伝説」のタイトルで松下奈緒さん主演で映画化された上甲宣之氏の「そのケータイはXX」は、「隠し玉」を受賞、竹内結子さん、阿部寛さんで映画化された海堂尊氏原作の「チーム・バチスタの栄光」、役所広司さん主演映画「渇き」の原作である深町秋生氏による「果てしなき渇き」なども、「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した小説です。
ざっとご紹介しただけでも、この「このミステリーがすごい!」大賞のレベルの高さを、お分かりいただけたかと思います。さらに例え賞を受賞出来なくても、最終選考に残っただけでもかなりのレベルで、作家デビューへの近道なのです。
今回TBSでは、12月29日に「このミステリーがすごい!~ベストセラー作家からの挑戦状」として、過去に「このミステリーがすごい!」での受賞作家の書き下ろし作品4作をドラマ化するのです。
「カシオペアのエンドロール」
海堂氏は、2005年第4回に映画化もされた「チーム・バチスタの栄光」で、大賞を受賞した作家さんですが、それとともに現在も独立行政法人勝者戦医学総合研究所重粒子医学センターに所属する医師としても、活躍される方なのです。受賞後も、現代の日本の医療問題を取り上げる小説家としてコンスタントに作品を発表されている海堂氏ですが、もちろん医学の専門書の執筆も熱心にされているのです。
そんな海堂氏が「このミステリーがすごい!~ベストセラー作家からの挑戦状」に書下ろした新作小説は、「カシオペアのエンドロール」で、彼の得意分野の医療系ではなく、鉄道列車名が入ったタイトル通りと、アガサクリスティの「オリエント急行殺人事件」を彷彿させる’カシオペア’内で起こった密室内殺人事件です。
藤原紀香さん演じる女優・望月ゆかりが主演を務める映画の撮影を行っていた札幌発上野行豪華特急列車のスイートルーム内で、撮影隊唯一の男性スフタッフ、田中要次さん演じる映画監督の道明寺が殺害されたのです。
映画の撮影に使われていたので、そのスイートルームに出入りできるのは、撮影隊のみ。プロデューサーの吉川かなえ、アシスタントの賀茂泉、そして大抜擢された新進気鋭女優の樫村愛菜と、主演女優の望月ゆかりの4人だけだったのです。
偶然出張で乗り合わせていた加納警視と、その部下の玉村が、事件の捜査に乗り出すのですが・・・
藤原紀香さんがふんする望月ゆかりは、殺害された道明寺監督の恋人。そしてこの「貴婦人刑事」の新人刑事役として大抜擢された若手女優・樫村愛菜を演じるのは川島海荷さん、女性プロデューサー吉川かなえを演じるのはいしのようこさん、アシスタントプロデューサー・賀茂泉は、矢吹春奈さんが演じます。
黒いパンテル
2010年に「完全なる首長竜の日」で大賞を受賞した乾緑郎氏の「黒いパンテル」。乾氏は、元々演劇を志し、俳優活動や脚本執筆も行っていました。それと共に、小説家も志し、各文学賞にも投稿を繰り返していたそうです。さらに、鍼灸の専門学校を卒業し、鍼灸師の資格も持っているのです。
主演は、勝村政信さん。彼が演じるのは、建設会社に務める須藤です。この須藤、今はしがない現場監督ですが元々は戦隊もののヒーローとして人気を博した役者だったのです。須藤の妻は、高橋ひとみさん演じる栄子は、当時共演していたヒロイン女優。二人には、二十歳になる娘、千明がいるのです。
ある日、栄子は、須藤が演じていたヒーロー・ブラックパンテル衣装やマスクを見つけ、須藤に30年前のある出来事を思い出させます。それは、撮影現場で起こった悲惨な事故でした。ロケ現場で火災事故が起こり、共演していた先輩俳優の二ノ宮を見殺しにしてしまったのです。そんな二ノ宮を演じるのは城田優さんです。
ブラックパンテルの衣装から、そんな苦い経験を思い出し、自責の念が再燃してしまうのです。
そんなさなか、小池里奈が演じる娘の千明が誘拐されたとのメールが、須藤の元に送られてくるのです。誘拐犯の要求は、ブラックパンテルの姿で千明の救出しに来いとのことで、山本裕典さんが演じる千明の恋人・戸倉と救出に向かうのです。
残されたセンリツ
「残されたセンリツ」を執筆されたのは、中山七里氏は、2009年に「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞したことで、子どものころからの夢だった小説家としてデビューを飾った作家さんです。「さよならドビュッシー」の他、「災厄の季節」も、ダブルノミネートしていたことで話題となっていました。それ以前にも、江戸川乱歩賞の予選を通過したり、「このミステリーがすごい!」の最終審査にまで残っていた実力派だったのです。
またこの中山氏原作のドラマ「食材の奏鳴曲」がWOWWOWで1月から三上博史さん主演で放送されます。このドラマにも出演されるとよた真帆さんが、今回の金子修介氏が監督を務めた「残されたセンリツ」で天才女流ピアニストで、リサイタルを大成功させた直後に死んでしまった多岐川玲を演じます。
3年ぶりに開いたリサイタルで’生涯最高の演奏’と言わしめるほどの超絶技巧な演奏で聴衆を魅了した玲。
その直後、玲は控え室で謎の死を遂げたのです。控え室には、佐藤二朗さん演じる長年連れ添った元恋人でマネージャーの安住鷹久と、長谷川初範さん演じる現恋人でリサイタル主催者である美能忠邦、そして川口春奈さん演じる玲の娘で、仲がしっくりいっていなかった真由の3人のみに出入りできたのです。
捜査を担当するのは、独特のうんちくある人間観察が得意な河原崎雄二刑事が担当し、玲と3人の間に隠された意外な愛憎劇にたどり着いたのです。
ダイヤモンドダスト
2012年に「生存者ゼロ」で、「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した安生正氏。大賞受賞後に作家としてデビューしました。今回4作品を書き下した作家の中で、一番の新人作家ではありますが、一番の人生の先輩です。
そんな彼が、書き下ろした作品は、「ダイヤモンドダスト」です。スポーツ用品店で働く、AKIRAさん演じる奥脇巧と、山本耕史さん演じる明神和也は、翌日に迫った新店舗の開店準備に追われていたのですが、そんな首都・東京を大寒波による大雪が襲っていたのです。
暴風雪のなか、二人は残業。都市インフラは機能停止し、準備中の新店舗も、停電にあい、二人は作業を中断しなければならなくなったのです。
奥脇の決断で、二人は歩いて本社まで戻ることにしたのですが、強烈な暴風雪で、雪山を歩くような状態。
そんな極限状態の中、二人は互いの秘密や欲望がむき出しとなっていくのです。
それぞれが、30分程度のドラマでは決してもったいないほどの内容です。視聴率次第ではこの中のどれかが連ドラ化に昇格もあるかもしれませんね!
放送は、本日12月29日夜9時からTBSです。樹木希林さんとピース・又吉さんのナビゲーションで放送されます。お楽しみに。
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