ドラマすべてがFになるは理系ミステリー！原作小説ネタバレとロケ地は？

10/21（火）21時にフジテレビで連続ドラマ「すべてがFになる」が放送されることになり、ミステリィファンに結構な衝撃を与えました。

物語は、「理系頭脳」をもつ女子大生・西之園萌絵（にしのその・もえ）と、工学部建築学科准教授・犀川創平（さいかわ・そうへい）が、密室・猟奇殺人の謎に挑むサイエンスミステリィ。
二人が、圧倒的な頭脳を持つ天才プログラマー・真賀田四季（まがた・しき）が仕掛けるトリックと、はりめぐらされる数々の罠に挑みますが、理系頭脳の二人は、事件の動機や複雑な人間関係にはまったく興味がなく、ただ「目の前で起こった現象」がなぜなり得たのか、を追い求めます。

お嬢様・武井咲と准教授・綾野剛

キャストは武井咲さんと綾野剛さんのＷ主演！
お二人のドラマ共演は「GOLD（2010年・フジテレビ）」以来、4年ぶりとなります。
武井咲さん演じる西之園萌絵は、莫大な資産家の家に育った純粋培養のお嬢様。
かなり浮世離れした部分もありますが、瞬発力・発想力が非常に高く、中でも計算能力の速さがずば抜けていて、作中でもしばしば登場します。
いま流行りの「リケジョ（理系女子）」ですね。

武井さんは、先日まで放送されていた「ゼロの真実～監察医・松本真央～（2014・テレビ朝日）」で観察眼の鋭い監察医を演じました。
今回も頭の良い役で、しかも萌絵は明るくておしゃべりが好きなお嬢様なので、セリフが大変そうですね。
以前綾野さんと共演されたときはまだ15歳だったので、久々の共演を楽しみにしているようです。
萌絵とは年齢が近く性格も明るい役なので、比較的自由に演じられるのではないでしょうか。

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綾野剛さん演じる犀川創平はいつもクールで端的、「合理性」をこよなく愛する大学の准教授です。
犀川は一般家庭（よりも貧乏気味な母子家庭）で育ちますが、自ら浮世を離れようとしている部分があり、少々変わり者です。
ですが、警察からも助言を求められるほどの分析力と考察力を持ち、確認できた事実をもとに論理立てて事件を推理します。

綾野さんは、意外にも連続ドラマでの主演は今回が初めてとなります。
さっそく原作を読み始めているとのことですが、普段から「役に集中」することはあっても「よし、やるぞー！」ってタイプの役者ではないですよね。

森ミステリィの映像化の難しさに悩みながら、現場の人間ができる精一杯を発揮しようと静かに闘志を燃やしているようです。
原作がトリッキーな部分も多いので、視聴者を驚かせたいとの意気込みが聞かれています。

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物語の重要人物で、ある意味影の主演となる天才プログラマー・真賀田四季。
「誰が演じるの？」とネットではいろんな憶測が飛びましたが、先日ついにキャストが発表されました！
300人の中からオーディションを突破したのは、女優としてさまざまな役に挑戦中の早見あかりさん。
現在放送中の「アゲイン!!（2014年・毎日放送）」でも女性応援団長・宇佐美を熱演しています。
何と本作では、四季の14歳、28歳、妹、の三役に挑戦するそうです。
早見さんは不思議な空気感を持ち、骨太ながらも透明感がある、ミステリアスな女優さんですので、どんな四季を演じてくれるのかとても楽しみです。

まだ発表されていませんが、犀川の友人・喜多（きた）准教授役は誰なのでしょう？
原作でイケメン設定なだけに気になるところです。

第1のミステリィは？

犀川の友人・喜多准教授の誘いでとある大学の低温度実験室を訪れる犀川と萌絵。
その実験室では氷点下20度の状態で様々な実験が行われていました。
ところが二人が訪れた夜に、謎めいた殺人事件が起こります。
低温実験室の中で、遺体となって発見された男女2名の院生……。
完全密室である実験室に犯人はどうやって侵入し、また、どうやって脱出したのか？
萌絵と犀川の頭脳がフル回転を始めます！

全10作のＳ＆Ｍシリーズとは？

冒頭でも書きましたが、このドラマ化の決定は、ミステリィファン、著者・森博嗣ファンには衝撃的な物でした。
原作の発売自体が1996年と発刊から18年経っていて、映像化の難しさも散々語られていたからです。

原作は、「第1回メフィスト賞」の受賞作品で累計350万部のベストセラー。
この作品から「理系ミステリィ」というジャンルが確立された、理系ミステリィのパイオニアともいえる作品です。
犀川と萌絵の名前から「Ｓ＆Ｍシリーズ」と名付けられ、全部で10作あります。

Ｓ＆Ｍシリーズ（講談社刊）※赤字は本ドラマ使用作品
１）すべてがFになる The Perfect Insider
２）冷たい密室と博士たち Doctors in Isolated Room
３）笑わない数学者 Mathematical Goodbye
４）詩的私的ジャック Jack the Poetical Private
５）封印再度 Who Inside
６）幻惑の死と使途 Illusion Acts Like Magic
７）夏のレプリカ Replaceable Summer
８）今はもうない Switch Back
９）数奇にして模型 Numerical Models
10）有限と微小のパン The Perfect Outsider

この中から、どうやら下記の順番で放送されるようです。
（内容についてはドラマ化にあたり変更される部分があるかもしれません）

★冷たい密室と博士たち
（上記・第1のミステリィをご参照下さい）

★封印再度
50年前、とある日本画家が息子に家宝の画を残して密室の中で謎の死をとげた。
家宝にまつわる奇妙な言い伝えと画家の死の秘密は、誰にも解かれていなかったが、今度は、息子が死体となって発見される。
二人の死亡と家宝の謎にどんな繋がりがあるのか……？

★すべてがFになる
孤島に作られた最新技術を誇る研究所で、外界から隔離された生活を送る天才プログラマー・真賀田四季。
彼女は研究所の「絶対的存在」として君臨するが、自分の両親を殺害した過去を持つ殺人者でもあった。
学生らと研修旅行で島を訪れた犀川と萌絵が、研究所で起こった密室殺人に挑む。

★数奇にして模型
模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。
死体の首は切断され、発見された部屋は密室だった。
同じ密室内で倒れていた大学院生に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃に別の大学で発生した女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。

★有限と微小のパン
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークに友人と訪れた萌絵。
パークでは過去に「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件があり、萌絵の前に新たな事件が立ちはだかる。
謎が解かれたとき、萌絵と犀川は仕組まれた天才の存在を知るのだった……。

著者・森博嗣さんは、この小説が発行された当時、愛知県にある国立大学工学部建築学科の准教授（当時の呼称は「助教授」）でした。
森さん自身が「理系思考」の持ち主なので、犀川は森先生に近いのではと当時からよく言われていましたが、ご本人は犀川ほど無愛想ではないそうです。
ただ、メディアには一切でてこない方なので、このドラマに関しても特にテレビや雑誌で語ることはないでしょう……。

原作の順番と放送の順番が違いますが、実際に書かれた順番と発刊の順番は違っています。
森さんはまず「冷たい密室と博士たち」を書き上げ編集部に送りましたが、その後、編集部がコンタクトをとった際には「すべてがFになる」が脱稿されていて、両方読んだ編集部の勧めによってこちらをデビュー作としたそうです。

本作はミステリィですので、ドラマが放送されてからの読破をおススメしたいですが、そうすると表題作「すべてがFになる」は5～6話の予定なので、6話終了まで読み始められないんですよね……。
「犯人分かってても平気♪」という方はお好きなタイミングでどうぞ（笑）

1作ずつで完結されてはいますが、やはり微妙に登場人物が増えたり、キャラクターの環境が変わったりするので、ドラマの順ではなく、「出版順」に読むのが良いと思いますよー。